「自分はね、他人の人生を狂わせてしまうような嘘はつくまいと思ったんですよ」。武田邦彦先生は、真実を知っているにも関わらず、利益や保身のために嘘の情報を流している、と世の中に一石を投じます。講演の3日前に80歳の誕生日を迎えた武田先生。会場がお祝いムードに包まれる中、「自分の人生を振り返り残念に思うことがある」と話し始めました。
聞くと、武田先生自身が情報を疑わず信じたことで、人生を狂わされたとのこと。それは1970年代に「石油があと30年でほとんどなくなる」というもので、武田先生が原子力を学ぶきっかけになりました。後に石油は4000年近く持つという検証結果を出し、愕然としたと言います。追い討ちをかけたのは、日本の原子炉の安全性が不確かであること。虚無感を覚えた武田先生は、約20年携わった原子力の世界から身を引き、反原発を唱えます。武田先生が45歳の時でした。「僕は嘘の情報に左右され原子力に関わった20年、人生を棒に振ったと思っている」とお話しされました。
「皆さんが信じている環境問題は真実ですか?例えば、日頃取り組んでいるリサイクル、それは本当に自然に優しいものですか?情報を真に受けて思い込んでいませんか?」地球に必要な二酸化炭素のため、燃やすことは悪ではないことや、太陽光や風力発電の環境への影響、ダイオキシンの有害性のほか、ワクチンの安全性、ちまたにあふれる健康情報など、科学者の視点でさまざまな角度から検証し、疑問を読み解きます。男女の寿命の話では、ブラックユーモアを交えながら軽快なトークで会場を沸かせました。「皆さんは情報にとらわれることなく人生を豊かに過ごしてください」と結ぶ武田先生に、会場から温かな拍手が送られました。
1943年6月3日 東京都生まれ
1962年 東京都立西高等学校卒業、
1966年 東京大学教養学部基礎科学科卒業 同年(1966年) 旭化成工業株式会社に入社
1986年 同社ウラン濃縮研究所長
1993年より芝浦工業大学工学部教授を経て、2002年より名古屋大学大学院教授、
2007年より中部大学教授、
2015年より同じく中部大学教授(特任教授)に就任。
工学博士、専攻は資源材料工学。
名古屋市経営アドバイザー、富山市政策参与、名古屋大学高等研究院院友、
芝浦工業大学名誉賛助員、旭化成工業株式会社社友、日本高分子学会フェロー、
日本ラッド株式会社取締役(社外)、ダイコク電機株式会社取締役(社外)。
学術論文・総説など約800編、学術発表約1,400件、特許など約100件
開催日 | 講師 | 演題 |
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R04.05.24 | ジャーナリスト(コリア・レポート編集長) 辺 真一氏 |
最近の朝鮮半島情勢と日本 |
R01.05.23 | タレント、工業デザイナー、 怪談家 稲川 淳二 |
笑えて・不思議で・怒って・泣いて |
30.05.23 | 米カリフォルニア州弁護士 ケント・ギルバート氏 |
だから日本は素晴らしい 〜世界があこがれるこの国に暮らして〜 |
29.05.23 | 書道家 武田 双雲 氏 |
「文字の力、言葉の力、生きる力」 違いを認め合う。違いをリスペクトする。 |
28.05.23 | 落語家 三遊亭 歌之介 氏 |
明るく捉えていきましょう! 人生は思った通りになる。 |
27.05.21 | ジャーナリスト 井上 和彦 氏 |
日本を取り巻く安全保障環境 −情報を多角的に捉え、客観的な事実で判断する力を。− |
26.05.22 | 野球解説者 島田 誠 氏 |
苦難の克服 −あきらめない。それがプロの証。− |
25.05.23 | 作家・慶応義塾大学講師 竹田 恒泰 氏 |
日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか −自分の国に誇りを持てたらもっともっと輝ける。− |
24.05.24 | 経済ジャーナリスト 須田 慎一郎 氏 |
いま起こっていること、これから起こること −これからの中小企業の生き方− |
23.05.24 | 千房(株)代表取締役 中井 政嗣 氏 |
できるやんか! −人間って欠けているから伸びるんや− |
アクセス - 公益社団法人福岡西部法人会