人は、失って初めて、物事のありがたさに気づくもの。「ごく当たり前のこと、ごく普通のこと、そんな毎日が、『あぁ、ありがたい』『あぁ、幸せだな』と思う人。そんな人は辛い経験をされた方だと思います」と稲川さん。少し早口ながら、その語りはまさに立て板に水の如く。「今日は、怪談を含めいろいろな話をしますが、私が何を言いたかったかは、それぞれに感じ取ってほしい」という前置きから、そのお話は円転滑脱に展開しました
自殺や殺人事件の第一発見者になったことが5回もあるという稲川さん。そんな経験からも、怪談家としての資質のようなものが窺えます。渋谷にあるNHK101スタジオで、深夜にすれ違った兵隊。西伊豆のビジネスホテルに泊まったとき、その変わった造りの客室で体験した奇妙な出来事。かつて目黒にあったという、戦時中の細菌兵器の研究で知られる731部隊の施設だった古い建物にまつわる恐ろしい話など、語りの巧みさもさることながら、聴き手の想像を掻き立てる内容に、稲川さん独特の怪談の妙味が表れていました。
また、怪談ばかりでなく、日常の身の回りの出来事や雑感、故・内海好江師匠から聞いたという東京大空襲にまつわる悲劇、そして最後には、戦後、社会の裏側でまことしやかに噂されたM資金の正体が、敗戦間近のドイツからUボートによって運ばれてきた細菌兵器ではなかったか、という自説も開陳。豊富な話題とその話術に引き込まれた、あっという間の約1時間半でした。
1947年、東京都渋谷区出身。桑沢デザイン研究所を経て、工業デザイナーとして活躍し、1996年通商産業省(現・経済産業省)選定グッドデザイン賞「車どめ」を受賞。その一方で、タレントとしてワイドショー・バラエティー・ドラマと多くのメディアに出演しているほか、今年27年目を迎えた全国ツアーの怪談ライブ“稲川淳二の怪談ナイト”は幅広いファン層から支持されており、“怪談家”としてのライフワークとなっている。2002年からは、テレビ出演を夏だけとし、バリアフリー関連の講演、ボランティア活動、デザイン及び心霊探訪に時間を割いている。
開催日 | 講師 | 演題 |
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30.05.23 | 米カリフォルニア州弁護士 ケント・ギルバート |
だから日本は素晴らしい 〜世界があこがれるこの国に暮らして〜 |
29.05.23 | 書道家 武田 双雲 氏 |
「文字の力、言葉の力、生きる力」 違いを認め合う。違いをリスペクトする。 |
28.05.23 | 落語家 三遊亭 歌之介 氏 |
明るく捉えていきましょう! 人生は思った通りになる。 |
27.05.21 | ジャーナリスト 井上 和彦 氏 |
日本を取り巻く安全保障環境 −情報を多角的に捉え、客観的な事実で判断する力を。− |
26.05.22 | 野球解説者 島田 誠 氏 |
苦難の克服 −あきらめない。それがプロの証。− |
25.05.23 | 作家・慶応義塾大学講師 竹田 恒泰 氏 |
日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか −自分の国に誇りを持てたらもっともっと輝ける。− |
24.05.24 | 経済ジャーナリスト 須田 慎一郎 氏 |
いま起こっていること、これから起こること −これからの中小企業の生き方− |
23.05.24 | 千房(株)代表取締役 中井 政嗣 氏 |
できるやんか! −人間って欠けているから伸びるんや− |
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